「あきらめます」という言葉を
一生のうち何回言うだろう。
私があきらめて
手にしたモノを離そうとしたら
「あきらめることなんかないよ。
ここは『あうん』なんだから」
そう声をかけてくれたiさんが先日亡くなった。
誰をも迎え入れるような
あたたかさを持った人だった。
「何か協力できることがあったら
いつでも声かけてよ」と柔和な顔で笑う。
寒い雨の夜
こもれび荘に展示されている作品を観に足を運んでくれたりした。
いただいた着物生地でつくられた展示や服を観にきてくれた。
それが最後になった。
今
その人がくれた着物生地で
安眠サシェをつくりはじめた。
これをまた
近い誰かに手渡していく。