金色の髪の少女とヒゲマスク

 

鼻の下にマスクをするので

あまり意味がないように思えるのだけれど

それもきっと

彼女の一つの表現で

しかもそれが黒いときているので

まるで鼻の下にヒゲでもたくわえているよう。

 

ガラス窓のムコウから

試合終了後の

野球少年のように

「ありがとうございましたー!」

きっぱり言い

サクラほころぶ陽の下を

でっかい荷物を二つ三つ

何度か持ち替えて

 

彼女は歩いていく。

 

これも一つのステップで

早々過ぎたひと月だった。

 

曲がり角に消えていく金色に

ピンクの水玉。

 

 

ふんばれ

負けるな

シアワセんなれ