着ぐるみやお面をかぶって会議をするのは
堅苦しい空気や
日常の定義や枠から
思考をはずして
アイデアを出すためだと聞いた。
しかし目的などなく
普段着に選ぶ人もある。
食堂で見かけるとき
廊下で軽く挨拶を交わすとき
トイレに向かうとき
それは違和感もなく
通り過ぎていく。
ふと考えるとシュールな風景かもしれない。
着ぐるみは系統で分けるとしたらファンシーであり
声もか細いのだが
突如として気炎をあげる日もあるので
安穏としているわけでもないようだ。
彼女は着ぐるみふぁいたーだ。
用事を済ませ
エレベーターに乗っていく後ろ姿には
恐竜の突起物のような
ぽつぽつが見えた。