よく利く薬と犬のお尻

犬の具合が悪くなった。

 

ネットで調べると

肛門腺が炎症しているようだったので

動画を見ながら絞ってみた。

かなり真剣にやったが

素人考えであった。

 

痛がるわけでもなかったし

皮膚の表面も破けてはいないが

数日、風呂に入れてみたり

尻を洗浄するなどしていたが

一向に改善しないので医者に行った。

 

立て続けに5日の間

注射を打たれ

肛門を絞られ

犬にとっては散々だ。

 

それでも仕事から戻って医者まで歩く時

犬は昨日のことを失念しているのか

喜んで歩き

病院の扉を私より先に入り

入ってから気づき

出ようとして鼻をピスピス鳴らしている。

待合室で他の犬に吼えられても「あそぼあそぼ」と誘われても

彼女は一向に落ち着いて

わたしの膝上でやすらいでいる。

高齢になったせいもあるのだろうか。

 

 

苦い薬も飲まねばならない。

固いモノも噛まねばならない。

咀嚼し飲み込むか

のどに詰まらせてへこたれるか。

 

 

せめて犬には

薬も砕いて

甘く

難なく

飲ませてみたいものだ。