雷鳴がとどろき大きな雨粒が地面を叩く音がする。
そんな昼下がりも、こもれび荘の中は女たちの話し声で充ちている。
ゆったり壁に背をもたれながら編み物する人
和布のパッチワークの本を広げてみる人
手元で落書き
政治の話に法律、選挙の話、四方山談義。
はたまた虫屋敷の真実やネズミの捕獲と成仏についてなど語る人もあれば
半分とろり居眠りしているようでいて
その間、挽きたての珈琲の香りなどもただよってくる。
「こんな雨の日、こんな静かに過ごせるの平和」といえば
「このささやかさなモノもおびやかされつつあるわね」と返す人もあり
皆それぞれに気持ちいい距離を保ちながら
はじめましての人も加わっての「こもれびご飯」だった。
「つながる前に孤独であれ」
壁に貼られたチラシが語りかけていた。
空き地で一休みするような、
ぽかりと何かからぬける1日。