船を漕ぐ

見たい見たいと思っていた海へしばらくぶりに出かけた。

女二人、日常の荷をしばし降ろしてつかの間の小旅行。

 

窓の桟を枠に雲がゆったり流れるのを眺める。

雲の切れ間から光りが差し込むのを背景にして

帆をかけた漁船の影法師が静かに左へと消えていった。

 

うねりのきつい外界と分かたれたように

海中では海藻が揺れる中を魚がちらちらと泳いでいる。

 

 

明日からはまた

女たちの居る場所へ。

 

*船を漕ぐ人@グリーンネックレスのための断片スケッチ