女たちと一緒にちくちくやっている。
「わたし縫い物できないんです」
「わたし縫い物苦手なんです」
幾度となく聞くこの言葉に
かつての己を見るようで
「もしかしたらそう思わされてきたんじゃない?」と言っている。
それは言葉による呪縛のようなモノだ。
「おなおし!」と
よく戻された宿題
重ねて貼られていく「ダメダメ」シールに
あぁそうか
わたしダメなんだ。と
妙に納得し
針と糸を持つことにただならぬプレッシャーなど感じ
そして縫わなくなっていく。
線の上を糸と針で細かくなぞっていく
一つ袋ができあがる
ハーブをつめて開いた口を閉じていく
一つサシェができあがる。
目がキラリと光って
顔の筋肉がちょっとゆるむ。
見えない「できました」ステッカーを貼っていく。
朝起きれたシール 1枚
人と一緒に過ごせたシール 1枚
集中できましたシール 1枚
そしてその人の作品が1つ
ネコのサシェくまのサシェ
出来た!とその人が声に出して言うとき
一つ呪縛が解けていく
言葉のおまじない