先日、久しぶりに谷中に出かけた。
「あうん」がこの日、「トタン」に店を開くというので石やんと連れ立って散歩。
旧い民家に並べられた品々は、シンとした静かな「間」の中に置かれ
1枚の絵のように並んでいた。
夕焼けだんだんをくだり、谷中銀座でコロッケを買って
石やんと歩いていく1日だった。
細い路地で品出しをしているところに
学校帰りの子どもが「これなぁに」と声をかけてくる。
その手には大切そうに紙コップが握られていた。
「それなぁに」と尋ねると
霜柱だと言って見せてくれたが
すでに儚くも溶けて消えた霜柱は泥水になっていた。
それでもその子どもにとっては
溶けて失せようとも
輝く霜柱にちがいない。
忙しない日々の裡に「間」のような1日が過ぎていった。
□谷中@トタン 2022.1.22